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創世記の内容

創世記の概要

一般常識としての聖書解説旧約聖書の内容>創世記の内容



シャルル・ジョセフ・ナトワール作「楽園からの追放」(1740年)


一般常識として初心者にもわかるように創世記の主要な登場人物、創世記の簡単なあらすじ、創世記の各章を簡潔にまとめた内容を解説していきます。


神が世界を作った頃からの歴史。
重要な登場人物も多く、有名な出来事も多い重要な巻です。
30分で読めます。


一般教養として創世記の内容をサッと理解できると思うので、
ぜひ読んでみて下さい。



創世記の主要な登場人物


実体の無い神が人に影響を与えていきます。
時間が少し経過すると「主(しゅ)」と聖書内では表記されるようになります。



アダム(男)とエバ(女)
神が最初に作った人間の男女です。
神は自分の姿に似せて人間を作ったと書いてあるので
神も私たちの姿に似ているということがわかります。



カインとアベル
アダムとエバの子供です。


ノア
カインの遥か子孫です。
巨大な方舟を作り、世界を飲みこむ大洪水からこの家族だけ唯一生き残りました。



アブラム
ノアの遥か子孫です。
神と契約した人間で、
全ての宗教の父と呼ばれているとても重要な人です。
のちに神にアブラハムと名乗るように言われます。



イサク
アブラム(アブラハム)の子供です。
神の契約をする正当な後継者としてアブラムに祝福を受けます。



ヤコブ
イサクの息子です。
兄のエサウになりすましてイサクを騙してイサクから祝福を受けます。
のちに
イスラエルと呼ばれるようになります。



ヨセフ
ヤコブ(イスラエル)の末っ子です。
兄たちに憎まれて奴隷としてエジプトに売られてしまうが、
神の祝福を受けていたので出世することが出来て
エジプト王の右腕としてエジプトを支配する権力者になります。



パロ
エジプト王のことを「パロ」という名称で呼びます。
「ファラオ」とも訳します。
日本で言うところの「殿!」と呼ぶようなもの。



創世記の簡単なあらすじ

神が世界と人間を作ります。


人間の悪行を見かねて失敗作だと思った神が
何回か人間を攻撃します。


アブラムという男を試して神に従順な人間と認め、祝福を与えます。
祝福を受けた者は繁栄が約束されます。


祝福は子供へ継承可能で、
継承された子孫たちの身の上に起こった話が展開されて創世記は終わります。


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創世記の各章ごとの内容まとめ

創世記は50章まであります。
長めですが普通に聖書を読むと通常の本で180ページ分くらいを詰め込んでいるので、
遥かにストーリーを理解しやすいはずです。




1章
神は何もないところから1週間で全てを作った。

ミケランジェロ作「星の創造」(1511年)





2章
7日目は何もせずに休んだ。→日曜日は休みの起源


神は自分の姿に似せた人を作り出した。
人には他の全ての動植物全てを支配できるように設定した。


エデンはピジョン、ギホン、ティグリス、ユーフラテスの川によって潤され、
それらの川が集まる場所に存在する。


エデンの園には全ての食べれる植物の実を置いた。
特にエデンの中心には善悪の知識の木といのちの木を置いた。


エデンの園に1人の人を配置し、耕させて守らせた。

ミケランジェロ作「アダム創造」(約1508年)


神はその人にエデンにある全ての木の実を食べて良いといった。
しかし、善悪の知識の実を食べたら死ぬからそれだけは食べてはいけないといった。


1人だとさびしいので、神は鳥や家畜などの生き物を与えた。
人はそれらに名前をつけてかわいがった。


しかし、神はふさわしい助けではないと判断したので、
人の寝ている時にあばら骨を1本取り除き、
そのあばら骨から新たな人を作り、これを「女」と呼ぶことにした。
そして、「女」を作ったので、元いた人は「男」と呼ぶことにした。


お互いに全裸であっても全く恥ずかしくなかった。





3章
神が男に与えた生き物のうち、蛇は狡猾な生き物だった。
蛇が「知識の実を食べると神と同じになれる」と言った。


知識の木の実は食べるのに適していそうに見え、女が食べ、そのあと男が食べ、
自分たちが裸であるということを知った。


イチジクの葉を2枚合わせて腰に当てた。
神はイチジクの葉で腰を隠している男を見て
「なぜそのようなことをしているのだ?」
と聞くと裸が恥ずかしいと男が言った。


神はそれを聞いて裸という概念は知識の実を食べないとわからないので
知識の実を食べたことに怒った。


そそのかした蛇はずっと呪われ、腹這いで地を這うようにさせた。
神は男と女の子孫に敵意を置くと言った。


女には子を産むときに苦痛を伴うようにした。
男にはエデンのように食料がどこにでもあるのではなく、
苦労して自分で作らないと手に入らないようにした。


そのころから神は男をアダム、女をエバと呼ぶようになった。
エデンから追放されたアダムは土地を耕して食料を作らなければならなかった。





4章
アダムとエバの間に兄カインと弟アベルが生まれた。
カインは農耕を、アベルは羊飼いになった。


神にささげたカインの農作物は目もくれず、
アベルの羊を神は喜んだのを嫉妬してカインはアベルを荒野で殺した。

バルトロメオ・マンフレディ作「アベルを殺害するカイン」(1610年)

※「人類初めての殺人」と言われている。


それを知った神はカインがその土地で耕しても
何も食物が得られないようにした。


カインはエデンの東、ノデという場所に移り住んで結婚し、子を得た。


カインの子はエノクと名付け、
カインが作っていた町の名前もエノクにした。


エノクはイラデを生み、
イラデはメフヤエルを生み、
メフヤエルはメトシャエルを生み、
メトシャエルはレメクを生んだ。
レメクはノアを生んだ。
上記の人達は基本的に約900年生きた。





5章
家系図が書いてあるだけで読まなくていい。





6章、7章
ノアの時代になって、
生物が悪行ばかり行っているのを見て神は悔やみ、
自分の作った失敗作を帳消しにするために
大洪水を起こす計画を立てた。


しかし、清い行いをしていたノアに対しては事前通告をし、
それから逃れるために箱舟の作り方を1から10まで教え、
その中にあらゆる生物の最も清い雄と雌を乗せなさいと命令した。


神は7日後に40日大雨を降らせ、
地上の生物を消し去ると言った。


ノアはその時600歳であった。
箱舟を作り乗り込んだ。

エドワード・ヒックス作「ノアの箱船」(1846年)

洪水は高い山も飲み込んだ。
水は150日間引かなかった。





8章~10章
神がその後風を吹かすと水が引いて行った。


ノアは清い獣の中からいくつかを全焼し、
神にささげると、神はノアに祝福した。


ノアは洪水のあと350年生き、合計950年生きた。


ノアには三人の子供がいたが、
それらの子孫が繁栄して32以上の部族になって各土地に住みついた。





11章
そのうちのいくつかの人々が
天にも届く塔を作って部族が離れないようにしようとした。


神は世界共通で1つの言語だったのを、
いくつかの言語に分断させて建設現場を混乱させ、
さらに部族を全世界にちりぢりにさせた。

その町はバベルという町であった。

ピーテル・ブリューゲル作「バベルの塔」(1563年)



12章~17章
ノアの遥か子孫のアブラムは「神の子になる」と神と契約をし、
その時からアブラハムと名乗るように命じられ、
カナンの全土は永久にアブラハムの子孫が所有するものだ、と言った。


妻のサライは「サラ」と名乗るように言われ、
アブラハムの妻として全ての民の母になれと言われた。





18章
神はその頃、ソドムとゴモラという町に
悪がはびこっているため破壊しようとしていたのをアブラハムに言った。


アブラハムは
「悪人のために町の善人も全て殺すのですか?」
と聞いた。


さらに
「町に善人が50人いたら町は破壊しますか?」
と聞いて神は
「破壊しない」
と言った。


それを5人ずつ減らして言って最後には
「町に善人が10人いたら町は破壊しますか?」
と聞くと神は
「破壊しない」
と言った。





19章
しかし結局神はソドムとゴモラの町に
硫黄の火を降らせて全てを焼いた。

ジョン・マーティン作「ソドムとゴモラの滅亡」(1852年)

その火から逃げる時に振返ってしまうと塩にされてしまう。
アブラハムのおいのロトの妻が
硫黄の火に振り返ってしまったため、
全身が塩になって、塩の柱になって死んだ。



※ここで出てきたロトはその後自分の長女と近親相姦し、
息子モアブを授かる。
モアブの子孫はモアブ人となって
モアブ人のルツの話である「ルツ記」につながります。




20章、21章
アブラハムと老いた妻サラの間に
神の力によって子のイサクを出産した。





22章
神はアブラハムに
「イサクを生贄として全焼し、私に差し出しなさい」
と試練を与えた。


アブラハムはイサクに理由を説明せずに
生贄の祭壇まで連れて行き、紐で縛って火を放とうとした。


イサクを生贄に奉げようとして
神の使いに止められるアブラハム。

レンブラント作「イサクの犠牲」(1634年)


そこに神が
「子を捧げてでも神を恐れているのがよくわかった」
と言い、イサクの代わりに御羊を神は目の前に置いたので、
アブラハムとイサクはその羊を全焼し、生贄にして捧げた。





23章~26章
アブラハムは175歳で死んだ。


アブラハムの死後に神はイサクに祝福をした。
アブラハムの後継者ということ。


イサクは40歳でリベカを妻にむかえた。
双子が生まれ、兄エサウと弟ヤコブ。


イサクはエサウを気に入り、
リベカはヤコブを気に入った。





27章
イサクは年を取って、視力が衰えた。


イサクが死の間際にエサウに
「獣をしとめてきてそれで私の好きな料理を作ってくれれば、
心置きなく神の前でお前を祝福できる」と言い、
エサウは狩りに出た。


それを盗み聞きしていた妻のリベカはヤコブに
「先に獣をしとめて持ってくれば私が料理するから
それを父イサクに食べさせなさい」
と言った。


ヤコブは獣を取り、リベカが料理して、
兄エサウの服をヤコブに着させた。


料理を持っていくと声がヤコブなので
「本当にエサウで間違いないな?」
と聞かれてヤコブは「はい」と嘘を答えて、
イサクから祝福を受けた。


目の見えない父イサクに嘘をついて手を差し出すヤコブ。
ヤコブを好いている母親がヤコブの背中を押す。
何も知らずに狩りから帰ってきたエサウが左にうっすら見える。

ホセ・デ・リベーラ作「ヤコブを祝福するイサク」(1637年)


その後、エサウが料理を持ってきて
祝福がヤコブに行われたことを知るとひどく怒った。


その後イサクは死んだが、
父の喪の日にヤコブを殺そうとエサウは決め、
それを母のリベカに伝えた。





28章~30章
リベカはそれを聞いて
ヤコブをリベカの兄ラバンのところに身を隠せと命じた。


兄ラバンの子の姉レアと妹ラケルと一緒に住むことになったヤコブ。
ヤコブはラケルを好きになった。


ラバンにそのことを言うと
「他の誰かに嫁がせるより、
親類のヤコブに嫁いでもらいたい」
と言い、ヤコブとラケルは結婚した。


レアは悲しんでいたが、
それを見た神はレアに5回身ごもらせた。


一方、ラケルは子供を産めない体だったので、
レアを憎んだ。
色々あって、ヤコブはレアにも身ごもらせたりした。





31章
ラバンはヤコブにひどい仕打ちをして財産を蓄えたが、
それを見ていた神はラバンの保有する羊を
だんだん生きの悪い物にし、
ヤコブの保有する羊を優秀なものばかりにした。


その結果、財産の大きさがヤコブの方が上回ることになった。


ヤコブは頃合いを見て
レアとラケルを連れてラバンの元から逃げ出した。


ラバンはヤコブを追いかけていく途中に神に
「論争はしないように」
と言われた。


ラバンがヤコブに追いつくと
「娘たちは私の宝なので、
娘たちにひどいことをしないことと、
娘達以外の妻を迎えることは無いように」
と誓いを立てさせてヤコブの旅立ちを祝福した。





32章
旅をしていると神が現れて故郷に帰れというので、
故郷に使いを出して
「今私は莫大な富があってそれを送るのでご好意を得たい」
とエサウに言うように言った。


しかし、復讐心に燃えているだろう兄エサウのことを考えると、
逆にこちらの場所を教えたことで襲撃されるのではないかと思った。


そこで自分の陣営を2つに分けて、
さらに妻と子供たちを川岸の向こうに逃がし、
自分は1人で陣営に残ることにした。


夜明けに誰かが襲撃し、格闘戦になった。
ヤコブはふともものつがいに攻撃を受けてつがいがはずれた。


相手は
「お前はもうヤコブではなく、イスラエルと呼ばれている」
と言った。


ふともものつがいをはずされ、
足を引きづりながら歩いたので腰にダメージを受けたので、
今日イスラエル人は腰回りの筋肉を食べない風習がある。





33章
その後、ヤコブの前にエサウが現れた。
ヤコブは7回地に伏しておじぎをした。


エサウはヤコブの元に駆け寄り、抱きしめあって2人は泣いた。

フランチェスコ・アイエツ作「ヤコブとエサウの和解」(1844年)


ヤコブは兄エサウが怒りに燃えていると思っていたら、
兄エサウは過去のことはもう気にしていなかったのである。


レアやラケルや大勢の奴隷や羊を見てエサウは
「これはどうしたんだ?」
と聞くとヤコブは
「神の祝福により与えられたものです」
と言った。


そしてヤコブがエサウに渡そうとしていた
貢物についてエサウは
「私はすでに富んでいるため、
ヤコブが自由に自分のためにそれらを使えばいい」
と言ったがヤコブはどうしても受け取ってほしいというので、
エサウは受け取った。


そして、2人別れて、
それぞれの陣営を抱えてそれぞれ旅立っていった。





34章
旅の途中でヤコブの娘のディナが
その土地の土人の族長の息子シェケムに捕えられて強姦された。


シェケムはディナを好きだと言って、
父の族長ハモルにお願いした。


ハモルはヤコブの元に向かったが、
ヤコブの息子たちが出てきた。


ハモルは
「息子のシェケムがディナと結婚したいと言っている。
結婚できればこの土地を自由に行き来してもらって構わないし、
何でも好きなものを上げる用意がある」
といった。


しかし、ヤコブの息子たちの耳には
すでにディナが強姦されたことが入っているので
悪だくみをした。


ヤコブの息子たちは
「その土地にいる男たちが全て割礼して
1つの民として財産を私たちと
共有することを誓うならいいだろう」
と言った。


ハモル側もヤコブ一団の財産が共有になるのであれば
有利になると思って、大いに賛成をした。


しかしその3日後にその土地をヤコブの息子たちが襲い、
全ての男を殺した。

ハモルもシェケムも殺し、
その家からディナを連れ出した。


そして、割礼が終わっていて共有財産としていたので、
その土地の全ての女、子供、家畜など全てを強奪した。


ディナがシェケムに強姦されたことを言い訳にして
全てを強奪するのが悪だくみの内容だったのだ。





35章
ヤコブは神に
「これからはイスラエルと名乗りなさい。
そして、祖父アブラハム、父イサクに与えたこのカナン地をお前にも与え、
お前の子孫にも与えるようにしよう」
と祝福された。





36章 エサクの話
33章でヤコブと感動の再開を果たしたエサク。
36章では全てのちのエサクの家系図がすべて書かれて終了するだけの章。





37章、38章
イスラエルとレアの間に生まれた子の中で
イスラエルはヨセフを一番愛していた。


ヨセフはイスラエルとレアが年老いてから出来た年寄り子であったからだ。


イスラエルはヨセフに服を買ってあげた。


ヨセフの全ての兄たちはその様子を見てヨセフを憎んだ。


イスラエルの目の届かないところで
兄たちはヨセフの衣服を奪って殺そうとしたが、
ヨセフを助けようとしたルベンという兄が
「自分たちで殺すのは良くない」
と提案して穴の中に放り込んで放置して殺そうといった。


あとで引きあげてあげるつもりだった。
ロープを取りにルベンは一度その場を離れた。


そして、ルベンがいない間に
自分たちの手で殺すのは
良くないということになった。


その時に穴の前を通りかかった
イシュマエル人の商人に銀貨20枚でヨセフを売った。

オーヴァーベック作「兄弟たちによって売られるヨセフ」(1816年)


ヨセフは商人によってエジプトへ連れて行かれた。
ルベンが戻ってくるとヨセフはすでに穴の中にいなかった。


ルベンはイスラエルに伝えないといけないと思い、
はぎ取られたヨセフの服にヤギの血をつけてイスラエルに見せた。


イスラエルはヨセフが獣に殺されたと言って泣いた。
ヨセフは商人によってエジプトでパロの廷臣、
侍従長ポティファルに売り飛ばされた。





39章
へブル人のヨセフは神に祝福を受けていたので、
主人ポティファルに富をもたらし、パロに気に入られた。


そして、主人ポティファルの
全財産の管理を任されるまでにヨセフはなった。


ヨセフは良い男だったので、
主人ポティファルの奥さんに
肉体関係を何度も求められたが
「主人が私の現在の神であるのに
その奥さんに手を出すなんてとてもできない」
と言って全て断った。


ある日、また肉体関係を求めて断られた奥さんは
ヨセフを逃がすまいと上着を掴んだが、
上着をするりと脱いでヨセフは逃げた。

グイド・レーニ作「ヨセフとポティファルの妻」(1630年)


それに気を悪くした奥さんがその上着を持って
「私の部屋にヨセフが来て夜這いをしようとした。
その証拠に彼の上着がある」
と騒ぎ立てた。


ヨセフは監獄に入れられたが、
神の祝福を受けていたので監獄長に気に入られて、
模範囚として監獄の管理を任されるようになった。





40章
別件でポティファルが監獄に入れられて、
その世話をヨセフがすることになった。


ポティファルは夢で
3本の枝のぶどうの木からぶどうを取り、
それを潰して主人とぶどうで杯を交わしている夢をみた、
とヨセフに言った。


ヨセフはその夢について
「3本の枝は3日後を表します」
と解き明かした。


そして、3日後に主人の誕生日があり、
その時にポティファルは監獄から解放され、
主人とぶどう酒で杯をかわしたのであった。
ヨセフの予言はあたった。





41章
パロは体格のいい雌牛7匹が
貧相な雌牛7匹に食い殺される夢をみた。
胸騒ぎがした。


それで呪術師や学者などを集めて、
その夢の解説を求めたが、誰も解説できなかった。


そこにポティファルが現れて
「以前にヨセフが自分の夢を解き明かした」
というとパロはヨセフを監獄から解放して夢の解説を求めた。


ヨセフは自分が予言しているのではなく、
神が知らせてくれることをそのまま教えているだけといい、
その夢はパロの繁栄を表すと解説した。


体格のいい牛7匹は、
これから7年間は豊作によってパロが繁栄することを意味し、
貧相な牛7匹は繁栄後に7年間の飢饉により滅びることを表すという。


7年間のひどい飢饉によって
エジプトは豊作であったことは忘れ去られる、
とヨセフは言った。


そして、それらの飢饉に備えて
豊作の時から各地に備蓄をするようにパロに言った。


それを聞いたパロは
「そんな予言ができるのは他に誰がいようか。
私が君に勝っていることは王位があるというだけだ」
と言ってヨセフに高貴な衣服や
金の指輪を渡してエジプト全土を支配するように命じた。


ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ作「ファラオの指輪を受け取るヨセフ」(1733年)


ヨセフは有力祭司の娘のアセナテと結婚した。
30歳だった。ヨセフの名はエジプト全土に知れ渡った。


子供が出来た。
兄をマナセ、弟をエフライムと名付けた。


やがて豊作の7年が終わり、
飢饉の7年が来たが、
各村に蓄えがあったので大丈夫だった。


さらにエジプトだけでなく、
周りの国も飢饉が起こったので助けを求めて
ヨセフの元に各国から人が集まったので、
穀物をたくさん売った。





42章
一方、カナンの地にいたヨセフの父ヤコブ(イスラエル)は
息子たちにエジプトに穀物を買いに行くように命じた。


息子たちは顔を見合わせた。
なぜなら過去にエジプトに行く商人に
ヨセフを売り飛ばしていたからだ。


ヨセフの次に生まれた末っ子のベニヤミンは
ヨセフのように失いたくなかったので行かせなかった。


エジプトに着くとヨセフが権力者として穀物を販売しており、
その前にヨセフとは知らずにヨセフの兄たちはひれ伏した。


ヨセフだけは兄たちのことをわかったので
「あなたはこの国に来た間者(スパイ)だ」
と言って3日間拘束した。


ヨセフは
「あなたがたの誰か1人を拘束する。
他のものは穀物を持って帰って飢えてるものに与えろ。
そして末っ子のベニヤミンをここに連れてこないと
人質は解放しない」
と言った。


その時に当時ヨセフを助けようとしていたルベンが
「あの時ヨセフに対して私たちが罪を犯した報いだ」
と言った。


ヨセフはそれを聞いて彼らから離れた後に泣いた。


兄たちはシメオンを人質にした。


ヨセフは
「道中で飢えているものにも食料を与えよ」
と命じ、彼らはそうした。


彼らは道中でロバに飼料を与えようとしたら、
穀物を買う代金であった銀が飼料の袋の中に入ってて
返されているのがわかった。


カナンに帰ると父ヤコブに起こったことを説明した。
ヤコブ(イスラエル)は
「お前達はすでに私の子、ヨセフを失わせている。
シメオンも今はいない。
そして末っ子のベニヤミンまで取り上げようとしている」
と言った。


ルベンは
「もしベニヤミンが帰ってこなかったら、
私の子供2人を殺して下さい。
私は必ずベニヤミンとシメオンを連れ帰ってきます」
と言った。


しかしヤコブはベニヤミンを連れていくことを許可しなかった。





43章
カナンの地はひどい飢饉で
すぐに穀物が尽きたので、
ヤコブはまた穀物を買いにいくように命じた。


兄たちの説得によって
ベニヤミンを連れていくことは許可し、
さらにはカナンの地の名産品を
たくさん持って献上するようにヤコブは言った。


エジプトのヨセフの元に着くと
自分の家の召使いに
「この人達を家に招き入れて料理をしなさい。
あとで一緒に食事をします」
と言った。


ヨセフの家に着き、別々に食事をした。
へブル人とエジプト人は
いっしょに食事できない風習があったからだ。


ベニヤミンにだけは他の兄たちの5倍の食事を与えた。





44章
ヨセフは召使いに彼らの袋の中に
銀貨と大事な銀の杯をいれるように言った。
特に銀の杯はベニヤミンの袋に入れろと言った。


そして、彼らが帰路に立ったあとに
召使いに後を追ってこれを伝えろと言った。
「私たちが善意でもてなしたのに、
私の家から銀貨や大事な銀の杯まで盗んで悪意で返すなど許さん」


召使いは追いついてそれを伝えると、
銀貨や銀の杯を返しにエジプトに引き返した。


戻ってきた兄たちは
「全員あなたの奴隷になるので許して下さい」
と言った。


ヨセフは
「いやそれでは無慈悲なので、
銀の杯を盗んだ物だけを私の奴隷にすることで許してやる」
と言った。


ベニヤミンの袋に銀の杯が入っていたので、
兄たちは
「ベニヤミンが戻らないと
父ヤコブは気が狂って死んでしまうので
それだけはやめてください」
と懇願した。





45章
ヨセフはこの時点で
「私はあなたがたがエジプトに売ったヨセフです」
と本当のことを言った。


ヨセフは
「先にエジプトに送り込まれて
あなたたちの飢饉を助ける運命で、
これは神がそのようにしたことだから
謝らないで下さい」
と言った。


そして、カナンに戻ってそのことを
父ヤコブに伝えてエジプトに移り住むように言った。


エジプトでは家族全員に最良の土地と
最良の食べ物でこれからの飢饉を乗り越える
十分な蓄えがあると言った。


兄たちはカナンに帰り、
ヤコブがそれを聞くと
エジプトにすぐに行くことを了承した。





46章
ヤコブはカナンにある全ての財産を持って
全ての一族を連れてエジプトに向かった。
一族は孫娘など含めて全員で70人いた。


エジプトに着き、ヤコブとヨセフが再開すると
涙を流しながら抱きしめあった。
ヤコブは「もう今死んでもいい」と言った。





47章
エジプトとカナンの飢饉はすごく、
エジプトの民はヨセフの前に来て
「銀がもうないのであなたの前で死にます」
というとヨセフは
「銀の代わりにあなたの土地と家畜を
渡してくれれば穀物を交換しよう」
と言った。


その結果、エジプトのほとんどの土地が
パロの所有物となった。


パロが給料を与えている祭司たちは
銀があるので土地を渡さなくて済んだ。


土地も家畜もいなくなったエジプトの民は
パロの奴隷として働くしか
生きる方法がなかったのでそうした。


収穫高の5分の1をパロに納めるという契約で
土地を貸してもらい、種を撒いて耕作した。





48章
17年後、ヤコブ(イスラエル)は147歳になり、
病気で死の間際にいた。


ヨセフの子の兄マナセと弟エフライムに祝福をした。(41章より)


通常は兄から祝福するのだが、
ヤコブはエフライムがとても大きな国を作ると予期し、
弟のエフライムから祝福をした。





49章
ヤコブは死の間際に
自分の全ての子供に祝福の言葉を残して死んだ。


ヤコブの希望でカナンの地の
先祖代々の埋葬場所に埋葬された。





50章
ヨセフはヤコブの死体を
ミイラにするように命じた。


ヨセフはその後110歳までエジプトに住み、
エフライムの三代の子孫を見て死んだ。


ヨセフはエジプトでミイラにされ、
棺桶に入れられた。



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創世記はこれでおしまいです。
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管理人プロフィール

名前:斉藤
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コメント:私はキリスト教の信者ではありません!
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独立切子士として、
切子の工房を設立しました。
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