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サムエル記第一の内容

サムエル記第一の概要

一般常識としての聖書解説旧約聖書の内容>サムエル記第一の内容



ミケランジェロ作「ダビデ像」(1504年)


一般常識として初心者にもわかるようにサムエル記第一の主要な登場人物、サムエル記第一の簡単なあらすじ、サムエル記第一の各章を簡潔にまとめた内容を解説していきます。


さばきつかさサムエルが神のお告げによって王を任命し、
王を民の上に立てるという制度イスラエル人に初めて作った。
旧王サウルと新王になりうるダビデとの関係を描く。
30分で読み終わります。


今までは
「さばきつかさ」という神に選ばれた能力者が民を指導していましたが、
この巻からは「王」という職を作ってそれが民を支配するようになります。



他の人種は王国としてやっていましたが、
イスラエル人はずっとさばきつかさでやってきましたが、
王を作れという民の声があって、この時点で初めて王が出来ます。
イスラエル王政の始まりです。


本来は
サムエル記第一、サムエル記第二、
列王記第一、列王記第二と合わせて
1つの古代ユダヤの歴史書だったものを分割にして聖書に組み込んだ。



一般教養としてサムエル記第一の内容をサッと理解できると思うので、
ぜひ読んでみて下さい。


サムエル記第一の主要な登場人物

サムエル
序盤の主人公。
神の力で受胎して生まれた子供。
さばきつかさ(神が選んだ特別な力を持つ人)として
民の指導者になる。
王を作ってくれという民の要請に折れて、
神のお告げを通じて王の力をサウルに与える。



サウル
中盤の主人公。
神のお告げによって選ばれ、王の力を手に入れた者。
しかし神の言うことを聞かないので
王の力を奪われてしまう。




ダビデ
終盤の主人公、かつ次巻のサムエル記第二の主人公。
サウルの代わりに王の力を授けられた者。
ダビデは王の頭角を現すが、
サウルに邪魔されて命を狙われるが
王の力があるので死ぬことは無い。
※前巻の「ルツ記」の最後に出てきたダビデと同一人物です。


サムエル記第一の簡単なあらすじ

サムエルは神の力で生まれた子供で
生まれつき神の声が聞こえていた。


サムエルは、さばきつかさとして各地のイスラエル人を救った。
サムエルが高齢になった時、
イスラエルの民が王様を立てて、王が統治する方が良いと言いだした。


王を作る危険性をサムエルは説いたが、
民は聞く耳を持たなかった。


神はその民の姿を見て王を立てるようにサムエルに命じ、
サウルを王に任命する。


サウルは神との約束事を何回か破ってしまい、
それに怒った神は王の能力を剥奪して、
サムエルに言ってダビデに王の力を授けた。


王の力を持っているダビデは戦果をあげて、
色んな人に愛されていった。


それを見たサウルは自分の統治の時代が脅かされると思って、
ダビデを排除するように試行錯誤する。


ダビデは神によって王の力を受けているので、
ダビデを殺すことは出来ず、
王の力がすでに無いサウルは戦争に負けて殺されてしまった。


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サムエル記第一の各章ごとの内容まとめ

サムエル記第一は31章まであります。

話がかなり長く、自分でまとめていても長かったので、
まとめた内容でさえ読むのに時間がかかると思います。



1章
エルカナという男が居て、2人の妻ハンナとペニンナがいた。
ペニンナには子供が10人いたが、ハンナは子供を産めない体であった。


その家族は毎年シロという場所に出向いて礼拝するが、
ペニンナはハンナを憎んでいたので、
その時に子供が産めないことを馬鹿にするようなことを言って
ハンナを毎年いらだたせていた。


ハンナはその年、礼拝堂でその悔しさを神に祈り、
「男の子を授けてくれれば、彼を主に捧げます」
と言った。


それを陰で見ていたシロの祭司エリはハンナに
「安心しなさい。神は願いを叶えてくれます」
と言った。


ハンナは身ごもって男の子を産んでサムエルと名付けた。


サムエルが乳離れしたころに毎年のシロの礼拝にいくことになった。


ハンナは祭司エリに会い、お礼を言い、
産んだサムエルは神に奉げると約束したので
祭司の元に引き渡した。





2章
エルカナはラマに帰っていった。
サムエルはそのままシロの礼拝堂で祭司エリの元で神に仕えることになった。


祭司エリには2人の息子の祭司ホフニと祭司ピネハスがいたが、
よこしまな者で神や律法を知らなかった。


ここまでの関係図



神への生贄は全焼することが律法に書かれているが、
彼らは脂肪が溶ける前に生贄を火からおろしてそれを食べた。
神への捧げものを侮っていた。


一方、毎年シロに来るハンナはサムエルに亜麻布の服を渡して着させた。
そして祭司エリはハンナにまた祝福をしてあげた。


それによってハンナはサムエルを産んだ後に3人の息子と2人の娘を産んだ。
サムエルは祭司エリの元で少年に育った。


祭司エリは非常に高齢で98歳になっており、目は見えなくなっていた。
彼は自分の息子たちが礼拝堂に仕えている女たちと寝ているということを聞いた。


エリは息子たちに
「人に対する罪は神が許してくれるが、神に対する罪は誰が許してくれるだろうか」
と息子たちに言ったが、彼らは言うことを聞かなかった。
それはすでに神が息子たちを殺すと決定していたから彼らは言うことを聞かなかったのである。


一方、少年サムエルは神にも人にも愛された。


そして神は祭司エリに
「あなたの息子の祭司ホフニとピネハスは2人とも死ぬ」
と告げた。





3章
少年サムエルはたまにしか神の声が聞こえなかった。


サムエルが祭司エリに呼ばれたと思って2回エリの元に来るので、
エリはサムエルが神に呼ばれていることを悟った。


エリはサムエルに
「次に呼ばれたときは、しもべは聞いております、と言いなさい」
と言った。


その通りにすると神がサムエルに
「祭司エリの家を永遠に裁くことにした。息子たちが呪いを招くようなことばかりするからだ。これはどんな生贄をささげても永遠に償うことができない」
と言った。


翌日、サムエルは怖くてその話をエリに言えずにいたが、
エリは聞いた話を教えてくれないと神に罰せられると言った。
それでサムエルは全てのことを話した。


サムエルは成長して大人になった。
神は再びシロに現れてサムエルに
「サムエルを神の言葉を代弁する預言者に任命する」
と言った。


サムエルはさばきつかさとなった。





4章
サムエルが預言者になったという話が全てのイスラエル人に伝わった。


その頃、イスラエル人はペリシテ人に戦いを挑んでいた。
イスラエル人が攻め込んだ時に返り討ちにされて4000人が殺された。


イスラエル人の長老たちは主の契約の箱をもってきて神の力を得ようと思った。
シロに使いを出し、契約の箱と祭司ホフニと祭司ピネハスを連れてきた。
これで勝てると思ったイスラエル人は歓声をあげた。


その歓声を聞いたペリシテ人は、
神の加護があるイスラエル人に勝てるわけがないと思ったので、
がむしゃらに戦い、奮起した。


その結果、イスラエル人はまた打ち負かされ、
さらに陣営内に疫病が起こって3万人が死んだ。
神の箱が奪われ、神の意向通り
祭司エリの息子の祭司ホフニと祭司ピネハスはそこで死んだ。


兵士の1人がシロに戻り、
祭司エリに神の箱が奪われて息子2人が死んだことを伝えると、
高齢だった彼は椅子から仰向けに落ちて首を折って死んだ。
祭司エリは40年間、さばきつかさとしてイスラエル人をさばいていた。


ピネハスの妻は身ごもっていて
神の箱が奪われたことを聞くと陣痛が起こって子を産んだ。
イ・カボデと名付けた。
彼女は神の箱が奪われてイスラエル人から栄光が去ったことに茫然とした。





5章
一方、神の箱を奪ったペリシテ人は
アシュドデの町のダゴンという神がいる宮殿に一緒に安置した。


次の日、朝早く来てみると神の箱が横に倒れていて、
さらにダゴンの彫像の頭と両腕が切り落とされていた。
さらに神はアシュドデの人々に腫瘍を発生させた。


神の箱が手元にあるのはまずいということで会議を開き、
ガデという町に移すことにした。


ガデでは神は大恐慌を起こし、人々に腫瘍を発生させた。
さらにエクロンという町に安置しようとすると
「ここの民を殺すのか」と怒られたので、
最終的に元の場所に返そうということになった。





6章
ペリシテ人はどうしたらいいかわからず、
7か月間、神の箱を荒野に放置しておいた。


それでささげ物と神の箱を一緒に車に乗せて、
ペテ・シェメシュ人の町に来た時に彼らは神の箱があるのを見て喜んだので、
ペリシテ人はそれを彼らに引き渡して去った。


ペテ・シェメシュ人は神の箱の中を見たので神は彼らを攻撃して50,070人殺した。
そこで彼らはキルヤテ・エアリムというイスラエル人の町に神の箱を持っていくことにした。





7章
キルヤテ・エアリムに神の箱が安置されて20年経った。
イスラエル人は神を慕っていた。


その頃、サムエルはその町の全家に
「主以外のバアルやアシュタロテなどの他の神を取り除けば、主はペリシテ人の脅威から守ってくれます」
と言うと、街の人は主以外の神の偶像を捨てた。


さらにサムエルは
「ミツパに集まりなさい。私はあなたたちのために神に祈ります」
と言った。


ミツパに集まって礼拝していることをペリシテ人は聞いて、
ミツパにいるイスラエル人を攻めることにした。


イスラエル人はサムエルに助けを求めたので、
サムエルは子羊を全焼の生贄にすると、
神はペリシテ人の上に大きな雷鳴を落としたのでイスラエル人は彼らを倒すことが出来た。


これに恐れたペリシテ人はサムエルが生きている間は二度とイスラエル人の領土に入ってこなかった。





8章
サムエルは年老いた時、息子たちをさばきつかさとした。
長男ヨエルと次男アビヤである。


この2人の息子は利得を追い求め、わいろを受け取ってさばきを曲げていた。


そこでイスラエルの長老たちはサムエルに
「あなたたちの子供はあなたの道を歩みません。どうか他の国民のように私たちをさばく王を任命して下さい」
と言った。


サムエルは王を求める民に対して王を作るとはどういうことかを神の言葉を代弁していった。

王は自分のために
男は
耕地を耕させ、
刈り入れに従事させ、
武具を作らせる。

女は
香料を作らせ、
料理をさせ、
パンを焼かせる。

畑を奪い、家来に与える。
税金を取る。
奴隷を奪って仕事をさせる。


サムエルは
「そういう王の支配下になってあなたがたが助けを求めても神は助けてくれない」
と言ったが、それでも民は言うことを聞かずに王を求めた。


神はサムエルに
「彼らの言うことを聞いて1人の王を立てよ」
と命令した。





9章
ベニヤミン族のキシュという男にはサウルという息子がいた。
ある日、ロバがいなくなったので父キシュに言われてサウルはロバを探しに行った。


かなり探したがロバが見つからず帰ろうとしたが、
連れの若い者が近くの町に預言者が来ているので会いにいきたいというので寄り道した。


町に入る前に横道からサウルはサムエルに出くわした。


サウルはサムエルに預言者の家を聞くと、サムエル自身が預言者だと言った。


前日にサムエルは神から
「明日、ベニヤミン族の男があなたと会うのでその人をイスラエル人の王にしなさい。
彼はペリシテ人から民を救うであろう」
と聞いていた。


サムエルはサウルに
「あなたのことを私に話した者がいる。あなたはイスラエル人を支配するのだ。
今日は一緒に食事をしてから明日帰りなさい。
あなたが探しているロバのことは知っています。もう見つかっています」
と言った。


サウルは
「私のようなものがなぜですか?」
と聞いたが、サムエルは構わずに家の広間に連れて行って食事をした。


一泊して朝早くにサムエルはサウルを呼び出して神の声を聴かせると言った。





10章
サムエルは油をサウルの頭にそそいで、
「神がイスラエル人の王としてあなたに油を注ぎました。
あなたはこの後ギブアで預言者の一団に会います」
と言った。


サウルはサムエルの元を去って地元のギブアに戻るとサムエルの言った通り、預言者の一団に会った。
神の霊がサウルに落ちたのを感じたのでサウルは預言者たちと一緒に預言を始めた。


サウルを以前から知っている地元の人たちが彼を見て預言をしているのを見て驚いた。


サウルは預言を終えて父親の元に戻った。
父親キシュはサムエルに何を言われたか聞いたが、
王になれと言われたことは伏せて、ロバが見つかったことを教えてもらったということだけ伝えた。


一方サムエルはミツパでイスラエル人を集めて
「あなた方が求めていた王を決めるので12部族は集まってクジを引いて下さい」
と言った。


クジを引くとベニヤミン族が当たり、
ベニヤミン族を氏族ごとにクジを引かせるとマテリという氏族が当たり、
マテリの氏族の中でくじを引くとサウルが当選した。


そこで人々はサウルを探して彼を連れてきた。


サムエルは全ての民に
「見よ、神が選んだのはこの人で誰もこの人に並ぶものはいない」
と言うと、民は
「王様。ばんざい」
と言った。


サムエルは民に王が負う責任を告げて文章にして民を自分の家に帰した。
サウルもまたギブアの自分の家に帰った。


いくらかの者は
「どうしてこの者が私たちを救うことが出来る」
と言って軽蔑したが、サウルは黙って無視した。





11章
その頃、ヤベシュという町にアモン人のナハシュという男が来て町の前に陣を敷いて戦闘態勢を取った。


ヤベシュの人は戦いたくなかったのでナハシュに
「あなたに仕える契約を結ばさせてください」
と言って戦闘を回避しようとしたがナハシュは
「お前達の右目を全てえぐりとれば、それを契約の証としよう」
と言った。

それを聞いたヤベシュの長老は
「7日間の猶予を下さい」
と言って、その間にイスラエル中に使いを出して助けを求めた。


使いがサウルのいるギブアに来てそのことを民に伝えると、
ギブアの人達は泣いた。


それを聞いたサウルに神の霊が下り、サウルは激しく怒って牛をバラバラにした。
バラバラにした牛を使いに託してイスラエル中に送って、
「サウルとサムエルに従わない者はこの牛のようになる」
と言わせた。


それに震え上がった民は一斉にサウルの元に集まってきて、
合計33万人集まった。


ヤベシュの人はその増援の話を聞いてサウルに服従すると誓った。


翌日、サウルは昼までにアモン人を殲滅した。


サムエルのその指導力を見た民は
「サムエルが王になることに反対した奴らは誰でしたか?その者たちを殺しましょう」
と言った。


しかしサウルは
「今日は神がイスラエル人を救ってくれた日なのでもう人殺しはやめましょう。
そして、ギルガルに行って王権を創設する宣言をしましょう」
と言った。


民を引き連れてギルガルに行き、
生贄をささげて神の前にサウルを王とした。


儀式が終わるとサウルと全てのイスラエル人が大いに喜んだ。





12章
サウルは民の前で演説をし、
神に祈って雷雨を降らせて自分の力を見せて民を恐れさせた。






13章
サウルは30歳で王になり、12年間イスラエルの王であった。


ペリシテ人と戦争になった。
サウルは息子のヨナタンと一緒に戦っていた。


サウルは手順を間違えて生贄をささげて神に祈ってしまっていた。
その時ギルガルにサムエルが来て
「なんということをしたんだ。神が命じた命令を守らなかった。あなたの王国はもう永遠ではない」
と言った。





14章
ある日、サウルの子ヨナタンは道具持ちを連れて2人だけでこっそりペリシテ人の先陣に攻撃しようとした。


ヨナタンは
「神の加護があるはずだから人数の大小は関係なく、私たちは勝てる」
と道具持ちに言うと
「あなたの心のままに一緒に参ります」
と言った。


ヨナタンはペリシテ人の先陣20人を殺した。
それを聞いたペリシテ人はヨナタンを恐れた。
ペリシテ人側についていたへブル人はヨナタンを恐れてイスラエル人側に寝返った。


その日サウルは
「夕方まで私が敵に復讐するまで何も食べてはいけない。呪われる」
と言ったので、兵士たちはひと口も口にせずに苦しんでいた。


兵士たちが森に差し掛かると、
はちみつが滴る森であった。


兵士は食べずにいたが、ヨナタンは蜂蜜を舐めると
ヨナタンの目が輝きだした。


ヨナタンは
「父はこの国を悩ませている。
蜂蜜を少し舐めただけでもこんなに目が輝いている。
もし、ちゃんと食べていたらもっと多くの戦果をあげていただろう」
と言った。


蜂蜜を舐めたことがバレてサウルはヨナタンに
「たとえ息子でも必ず死ななければならない」
と言ったが、民は
「ヨナタンのおかげで大勝利を収めているのに
ヨナタンが死ぬことは絶対にありえません」
と猛反発してヨナタンは死ななかった。


サウルは王位をとってから周囲の全ての別人種との戦いに勝利した。





15章
サムエルはサウルに
「今、アマレク人を攻撃して全てのものを聖絶せよ。
全ての人間と全ての家畜を殺せ」
と言った。


サウルはアマレク人を全て殺してアガグ王を生け捕りにしたが、
生きの良い家畜を惜しんで連れて帰り、
生きの悪い家畜だけ殺した。


それを見た神がサムエルに
「私はサウルを王に任命したことを悔いる。彼は私の言葉を守らない」
と言った。


サムエルは翌日ギルガルに帰ったサウルに会いに行き
「外で聞こえる牛や羊の声はなんだ」
と言うと、サウルは
「神の生贄にするために生きの良い家畜を連れてきて他の家畜は聖絶しました」
と言った。


サムエルは神が言った言葉をサウルに伝えると
「私は民の反応を恐れて神の言葉より、
持ち帰るように言った民の言葉に従ってしまいました。
私の罪を許して下さい。礼拝させてください」
と言った。


しかしサムエルはそれを拒否して
「あなたはすでに神から王位を退けられています」
と言って去ろうしたが、サウルが必死にすがりつくので礼拝をさせてあげた。


そしてサムエルはアマレク人のアガグ王を連れてきて、
ギルガルの主の前で彼をずたずたに切り刻んだ。


その後、サムエルは死ぬまでサウルに会うことはなかった。
神もサウルを王にしたことを悔やんだ。





16章
神はサムエルに
「いつまでサウルのことで悩んでいる。
ベツヘレム人のエッサイという男の子供の中に次の王を見つけた」
と言った。


サムエルはベツヘレムに着くとエッサイの元に着いて子供を出すように命じた。
子供は7人いたが、神はこの者ではないと言った。


サムエルはこれで全員ですかと聞くと、
羊の番をしている末っ子がいるというので連れてきた。
神はその子だというので、サムエルはその子に油を注いだ。


その子はダビデという名前で神の霊がその子に下った。
※ルツ記の最後に出てきたダビデと同一人物です。


その結果、サウルは自分から神の霊が抜けたことがわかり、
自分のまわりに災いをもたらす霊がいることがわかってサウルはおびえた。


サウルは竪琴を上手に引けるものがその音色で霊を退けると思ったので、
各地から竪琴が上手なものを連れてくるように言った。


家来の一人が心当たりがあるというので使いを出して連れてくると、
それはダビデであった。
ダビデはサウルに愛されて道具持ちとなったが、家の羊の番もあるので。
ギルガルとベツヘレムを行ったり来たりした。


災いの霊が近づくたびにダビデは竪琴を鳴らして、サウルは元気を回復した。

レンブラント作「サウルとダビデ」(1655年)



17章
サウルはペリシテ人の戦いのためにダビデの兄たちも連れて戦場に出ていた。


ダビデは父エッサイに
「戦場にいる兄さんのためにパンを持っていき、安否を確かめてくるんだ」
と言われた。


ダビデはペリシテ人の戦場にいくと兄たちは生きていた。
危ないからダビデはすぐに帰れと言われた。


その時、ゴリヤテという敵の歴戦の戦士が現れてイスラエル人達は後ずさりした。
ゴリヤテを倒したものはサウルから財宝を与え、娘を与えるというお触れが出ているほどだった。


ダビデは戦場で指揮を取っていたサウルの元にいき、
「私は羊飼いとして羊が襲われた時は熊や獅子を殺してきました。あのペリシテ人も同じようになるでしょう」
と豪語するので、サウルはダビデに青銅の鎧と兜と剣を渡したが、
ダビデは動きづらいと思ったので、
いつも通り杖に、投石器、川で拾った石を5個袋に入れてゴリヤテの前に立った。


ミケランジェロ作「ダビデ像」
有名なこの像はゴリヤテを前に
左手に投石器、右手に石を持っている様子が彫刻されています。


ゴリヤテはにじり寄って近づいてきたが、
ダビデは投石器で石を飛ばしてゴリヤテの眉間に当てて、石が額に食い込んでゴリヤテは倒れた。


気絶したゴリヤテにダビデは走って近づき、
彼の剣を奪って彼の首をはねてトドメをさした。
他のペリシテ人は英雄が殺されたので逃げ出した。

ゴリヤテの首を持つダビデ。

カラヴァッジョ作「ダビデ」(1606年)


イスラエル人はそれを見て勝どきをあげて、逃げたペリシテ人を追って追撃した。
その一部始終を見ていたアブネル将軍はゴリヤテの首を持ったダビデをサウルの前に連れて行った。





18章
ダビデがサウルと語っているのを見て
サウルの息子ヨナタンはダビデに一目置いた。


ヨナタンと共に歩くダビデ。



ダビデはサウルが遣わしたところで
必ず勝利して帰ってくるので兵士長になっていた。


ダビデがあまりに強いので
「サウルは千の敵を倒し、ダビデは万の敵を倒した」
という歌が女の間で流行った。


それを聞いたサウルは自分がダビデより
低く歌われていることに非常に怒った。


ある日、わざわいもたらす霊がいるので
いつも通りダビデが竪琴を奏でていると
サウルは狂いわめいて、
槍をダビデに2回投げつけたがダビデは2回とも避けた。


サウルはそれを見て神が完全にダビデに味方していると悟りダビデを恐れた。


それでサウルはダビデを自分の元から離すために
千人隊長に任命して戦場で先陣を切らせるようにした。
戦場で戦死してもらおうという魂胆だった。


しかしダビデが出た戦場は大勝利を必ず納めてきた。
それを見たサウルはダビデに敵対しても勝てないことを悟り、ダビデを呼んで
「私の娘メラブを妻として与える。ただし、私のために勇敢に戦うことを誓ってくれ」
と言って忠誠を誓わせることにした。


ダビデは
「私が姫の婿になるとは私は何者でしょう」
と疑問を呈したし、その時になってメラブは別の人と結婚してしまった。


もう1人の娘ミカルはダビデを好きだったので、
同じようにダビデに持ちかけるとダビデは
「私は貧しく身分も低いので姫の婿になんかなれるわけがない」
と拒否した。


サウルは
「花婿料をもらおうというわけではなく、ペリシテ人の皮を100枚欲しいだけだ」
と言うと、ダビデは戦場に赴いてペリシテ人の皮を200枚持ち帰ってミカルと結婚した。


一応忠誠を誓ったとはいえ、
神に愛され、民に愛され、娘のミカルに愛されるダビデは
サウルにとって永遠の敵になってしまった。





19章
サウルは息子のヨナタンにダビデを殺すように命じたが、
ヨナタンはダビデに一目置いていたので
暗殺の計画をダビデに伝えて逃げるように言った。


ダビデはサムエルのところに逃げた。





20章
ヨナタンが父サウルが
本当にダビデを殺す決心があるのかを確認するための罠を仕掛けた。


サウルが本当にダビデを殺す決心があり、
それを邪魔するならヨナタン自身も殺されかねないほど
決心が固いことを知った。


ヨナタンはダビデに絶対にギルガルに帰ってきてはいけないことを報告した。





21章
ダビデはサウルの手から逃れて各地を放浪した。


ガテのアキシュ王のところへ向かうと家来たちが
「お前はサウルは千の敵を倒し、
ダビデは万の敵を倒した、の歌で有名なダビデではないか」
と言って王のところに連れて行った。


その歌を知っているということは
サウルの息がかかった王だと思い、ダビデは捕えられることを恐れた。
そこでひげによだれを垂らしたり、暴れたりして気が狂ったふりをした。


それを見たアキシュ王は
「なぜ私のところに連れて来たのか。
私に気が狂った者が足りないとでもいうのか」
と言って家来を叱った。





22章
ダビデが見つからないで苛立ったサウルが
神の使いである祭司を85人殺した。




23章
サウルはダビデを追い続けたが、
神がダビデにサウルが迫っていることを教えるので
延々捕まえることはできなかった。





24章
ダビデが隠れていたほら穴にサウルが入ってきて小便をしたが、
ダビデは奥の暗がりにいたので気付かれなかった。


サウルが洞穴から出る時に後ろから彼の服の裾を切り取った。
サウルが洞穴から出た後にダビデも出て「王よ!」と叫んだ。


サウルが振り返ったのでダビデは地にひれ伏しながら
「あなたはなぜ害を加えると吹聴するもののことを信じるのか。
ご覧ください。あなたの服の裾を切り取りましたが、あなたを殺しませんでした。
あなたはただのノミの一匹を必死に追っていらっしゃいます。
あなたに手をかけることはしません」
と言った。


サウルはそれを聞いて声をあげて泣いた。
そして、
「あなたは私より正しく、あなたによってイスラエル王国が確立することを確信した。
あなたが王になっても私の家系を根絶やしにしないでくれ」
と言ったのでダビデはサウルに誓った。




25章
サムエルが死んだのでラマの彼の屋敷で彼を葬ったあとにダビデは旅だった。


ダビデは過去に助けたナバルという男のところに使いを出して物資をいくらか援助してくれるようにお願いしたが、
ナバルは「ダビデなんか知らない」と言って邪険にした。


それを聞いたダビデはナバルを殺しに400人の兵を連れて進軍したが、
途中でナバルの妻のアビガイルが物資を持って謝りにきたので彼女の願いを受け入れてナバルは殺さないことにした。


しかしこれを許さなかった神がナバルを10日後に殺した。
それを聞いたダビデはアビガイルを不憫に思い、妻になるように使いを出した。


アビガイルはダビデの元に来て彼女はダビデの妻となった。
ダビデはアヒノアムという者も妻にしていたので2人が妻になった。


一方、妻であったサウルの娘ミカルはダビデと別れてパルティという男と再婚していた。






26章
ダビデの後ろをまたサウルが追いかけてきているというので、
夜の間にダビデはサウルの宿営地に行って彼の枕元にあった槍を奪った。


ダビデの家来が
「今寝ているうちにサウルを殺してしまえば全て終わるのではないですか?」
と聞いたが、
「神の油を注がれた者を決して殺してはならない」
と言ってその場を去った。


あとでサウルに会った時にダビデはまた自分を殺そうとしていることをサウルに問い詰めて
サウルの槍を見せていつでも殺せたのに私はそうしなかったということを彼に見せた。


サウルはまた反省してギルガルに帰っていった。





27章
ダビデは
「いつか、今にサウルに滅ぼされるだろう。もうペリシテ人の地に逃れるほかに助かる方法は無い」
と心に思った。


ペリシテ人の領土のガテに行ってそこに住み始めるとサウルは二度と追ってこなかった。
ダビデはそこに1年4か月住んでいた。


ダビデはガデを納めるアキシュ王に信用されるために、
かつての同胞がいた地域を襲撃して全てを殺してアキシュ王に報告した。
奴隷など連れて帰ると同胞を助けたと見なされて信用されないので、全て殺した。


その様子を見てアキシュ王はダビデを信用していつまでも私のしもべでいてくれるだろうと思った。





28章
ペリシテ人は今度イスラエル人と戦争をするとアキシュが言った。
ダビデはもちろんそれに参加してアキシュを守るように命じられた。


一方、イスラエルのサウルは神に何を訪ねても答えてくれないので、
霊媒師を使って死んだサムエルを呼び出して助けを求めたが、
すでに神の加護はあなたには無いと言ってペリシテ人に負けることを示唆された。





29章
ダビデはイスラエル人との戦闘の準備をしていると、
アキシュ王はダビデを呼んで戦闘に参加してはならないことを言った。


アキシュ王にとってダビデに悪いところは何もなかったが、
他の首長たちがダビデがかつてイスラエル側についていたことを良く思ってないからだと言われた。


翌日ダビデだけは最前線の陣営から抜けてペリシテ人の領地のイズレエルへ帰っていった。





30章
ダビデが生活の場に帰ってくるとアマレク人によって町が焼かれていた。


ダビデと部下たちの妻も息子も娘も連れ去られていた。
ダビデの妻アビガイルとアヒノアムも消えていた。


ダビデは神に問うと
「略奪隊を追え。必ず追いついて救うことが出来る」
と言った。


600人の部隊で略奪隊を追いかけると、
エジプトでアマレク人に置き去りにされた奴隷を見つけて、彼に道案内をしてもらうことにした。


道案内を受けるとアマレク人がお祭り騒ぎで飲み食いをしているところに着いた。
ダビデは一人残らず全て殺して、略奪されたものを全て取り返した。






31章
一方、アキシュ王の方のペリシテ人とイスラエル人の戦いは
ペリシテ人が優勢でサウルの息子たちを殺した。


もうダメだと思ったサウルは自分で剣を取り、腹に突き刺して自殺した。


翌日、サウルとサウルの息子の死体を発見したので、首を切って武具をはぎ取って、
神アシュタロテの宮殿に奉納した。
残った体の死体は焼いた。



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