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エステル記の内容

エステル記の概要

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1658年アールト・デ・ヘルデル作「エステルとモルデカイ」

一般常識として初心者にもわかるようにエステル記の主要な登場人物、エステル記の簡単なあらすじ、エステル記の各章を簡潔にまとめた内容を解説していきます。


美しいエステルという娘と門番の叔父のモルデカイが
ユダヤ人を迫害していた者を返り撃ちにしていく話。
15分で読み終わります。


またユダヤ教の「プーリーム」というお祭りの起源のお話でもあります。


一般教養としてエステル記の内容をサッと理解できると思うので、
ぜひ読んでみて下さい。

エステル記の主要な登場人物

アハシュエロス王
ギリシャの127州を統治する権力者。
新しい妻を探すために各州から娘をシュシャン城に集める。



ジョン・エヴァレット・ミレー作「エステル」(1865年)
エステル
ユダヤ人の美しい娘。
両親は死亡している。
王の妻の候補として城に召集される。

モルデカイ
ユダヤ人のシュシャン城の門番。
エステルの叔父でエステルの育ての親。


ハマン
モルデカイの態度に怒り、
ユダヤ人を根絶やしにする計画を立てる。



エステル記の簡単なあらすじ

アハシュエロス王の王妃は王を怒らせてしまい、
王は新しい妻を探すために各127州から娘を城に集めた。

ユダヤ人の美しいエステルも集められて目に止まって王妃になった。

門番のユダヤ人の叔父モルデカイの失態で
ハモンという家臣にユダヤ人虐殺を計画されて
各州に虐殺の通知が出てしまう。

エステルは王妃という立場を使って
なんとかユダヤ人殺害の状況をうまく回避する。

モルデカイは王に気に入られて王の次に権力者になり、
ユダヤ人の英雄となった。


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エステル記の各章ごとの内容まとめ

エステル記は10章までの短いお話です。
1章~10章まで1つの話になっています。



1章
ペルシャのアハシュエロス王(クセルクセス1世)の時代のこと。
※「エズラ記」で出てくるアハシュエロスとは別人。

彼は127州を統治していた。
彼が王座に着いてから3年経過した。

家臣や各州の首長たちを集めて
国の富や栄誉を誇示して180日間宴会を行った。

その宴会が終わると、
シュシャン城にいる全ての働いてる者のために
7日間の宴会を行った。

王妃ワシュティも婦人のための宴会をした。

宴会7日目に王はワシュティの美しさを民に見せるために、
王冠をかぶって王の前に来るように家臣に命じた。

ワシュティの元に家臣が来て伝えると、
それを拒んだので王は憤り燃え上がった。

王は習慣として困った時には
必ず法令に詳しい者に相談していたので今回もそうした。

法令に詳しいメムカンは
「王妃の行為は王だけでなく、女たちが夫を軽く見るようになるので宴会に参加していた他の人にも悪い影響を与えます。
これを解決するにはワシュティは王の前に出てはならないとルールを作ってから彼女から王妃の位をはく奪し、他の婦人に与えることです。
その厳しい姿を見れば逆に自分の夫を尊敬しないといけない風潮になります」
と言った。


王と首長はこれに賛同し、各127州にこのルールを守るように手紙を出した。





2章
このルールを作ってから王は怒りが収まり新しい婦人探しをすることにした。
王は127州の役人に命じて、容姿の美しい未婚の娘をシュシャン城の婦人部屋に集め、化粧をさせた。

シュシャン城の城にモルデカイというユダヤ人がいた。
モルデカイは叔父の娘エステルを養育していた。
というのもエステルにはすでに両親が死んでしまったからだ。

エステルは姿も顔立ちも美しかった。
エステルも婦人部屋に集められていたが、家臣のヘガイの目に止まり、婦人部屋の最も良い部屋に移された。
エステルは自分がユダヤ人でベニヤミン族であることを言ってはいけないとモルデカイに言われていたので出身を言わなかった。

モルデカイはエステルの安否が気になり、
毎日婦人部屋の庭の前を歩いた。

乙女たちは規則に従って1年間城に住んだのち、順番に王と面会することになった。
乙女は夕方に王宮に入り、朝になると婦人部屋に戻ってきた。
戻ってきた乙女は王の指名が無ければ次に二度と王宮には入れなかった。

エステルの番が来た。
王はどの女よりエステルを愛し、王は王冠を取ってエステルに授けてワシュティの代わりに王妃とした。
エステルのための大宴会も開かれたが、モルデカイの教えを守り、生まれも民族も明かしていなかった。

その頃、モルデカイが王の門のところに座って入口を守っていると、
家臣の2人が怒ってアハシュエロス王を殺そうと計画していたのを聞いてしまった。

彼はこれを王妃エステルに伝えると、エステルはモルデカイの名前を出して王に告げた。
家臣2人はこのことを追求されて殺害計画が明らかになり、2人は木にかけられて殺された。

このことは王の年代記として記録された大きな出来事だった。





3章
これののち、王はハマンという者を昇進させた。
王は王の門を守る家来にハマンに会ったらひれ伏すように命じたが、モルデカイだけは全くひれ伏さなかった。

他の家来はモルデカイに
「なんであなたは王の命令にそむくのか?」
と毎日のように言ったが、モルデカイは態度を変えなかった。

このデカい態度を見て気分を悪くした家来たちは、
ハマンに対してモルデカイはひれ伏さないことと、彼がユダヤ人であることを告げた。

ハマンはモルデカイがうわさ通りひれ伏さないことに気付き憤った。
ハマンは彼だけを処罰するだけでは満足しないと思った。
ユダヤ人と聞いていたので王国中のユダヤ人を全て根絶やしにしようとした。

ハマンは王に
「ある民族は王の法令を守っておらず、王のためになりません。
もしよければ彼らを滅ぼすように書いていただければ私が手配します」
と言った。

王は
「銀1万タラントを授ける。またその民族をどうするかもあなたの好きなようにしなさい」
と言い、王の指輪を渡した。

ハマンはその指輪で印を押した手紙を各州に出してユダヤ人を殺すように指示を出した。
手紙には老若男女全てのユダヤ人を殺し、その家の財宝を持ち帰れと書いてあった。





4章
モルデカイはそれらのことを知り、
着物を引き裂き、荒布をまとい、灰をかぶり、大声でひどくわめいた。
手紙が届いたどの州でもユダヤ人は同じようなことをした。

エステルの侍女がこの様子を報告したのでエステルはモルデカイに着物を送ったが、彼は着なかった。
エステルは家臣を遣わせてその謎の行為は何なのかモルデカイに聞いてくるようにいった。

エステルは王宮内にいたので外で何が起きているかをしらなったので、
モルデカイはユダヤ人虐殺の手紙の写しを家臣を通してエステルに渡した。

モルデカイは
「王のところに行ってユダヤ人にあわれみを求めるようにお願いしてくれ」
と家臣を通じてエステルに言った。


エステルは
「王の命令以外で王のところに行く者は死刑にされ、私自身まだ30日間、王に呼ばれたことすらありません」
と家臣を通じてモルデカイに言った。


モルデカイは
「あなたは王宮にいるから助かるだろうと思って行動しないで沈黙しているなら、あなたは滅びよう。あなたが王国に来たのはこのためだったのかもしれない」
と家臣を通じてエステルに言った。


エステルは
「モルデカイはシュシャンにいるユダヤ人を集めて3日間断食をして神の加護を受けて下さい。私の方は法令にそむいて死ぬことになるかもしれないけど王のところにいきます」
と家臣を通じてモルデカイに言った。


これを聞いたモルデカイはエステルの指示通りに動いた。





5章
断食が終わる3日目にエステルは王妃の衣装を着て王宮に入り、内庭にある玉座に座る王の前に立った。
王は金の勺をエステルに差し伸ばし「許す」という合図を送り、エステルは勺の先に触った。

王は
「どうした?王国の半分でもあなたにやれるが何がほしいんだ?」
と言った。

エステルは
「もし王が良ければ今日私が主催する宴会にハマンと一緒にきてくれませんか?その時に私の欲しい物を教えます」
と言うと、王は承諾した。

ハマンは自分以外の首長たちは誰も呼ばれず、王と自分だけが王妃エステルの宴会に呼ばれたことを大喜びし、妻や友人など周りの人間に自慢した。
そして妻の案で、宴会に行く前にモルデカイを首つりにしたあとに宴会に行くことを決めた。
自分の家の前に首吊り用の柱を立て始めた。





6章
王は宴会の前夜に眠れなかったので記録の書、年代記を読んだ。
王は家臣2人が殺害の計画をしていたのをモルデカイが報告してことに対して栄誉を与えたり昇進させたりしていないことに気付いた。

王は庭にハマンがいるのに気付いて通すように家来に言った。
ハマンは作成した柱でモルデカイの首を吊る許可を取りに来ていた。

王はハマンに
「王が栄誉を与えたいと思う者には何をしたらいいだろうか?」
と聞いた。

ハマンは栄誉を与えたいと思われる人間は自分以外に存在しないと思ったので出来るだけ良い条件を言うことにした。
ハマンは
「王が着ていた王服を着させて、王の乗っていた馬に王冠をかぶせて町の中を凱旋させて名誉を褒め称えさせるといいでしょう」
と言った。

王は
「あなたが言うとおりにしよう。王服と馬と王冠を取って来て王の門に座っているモルデカイにそのようにしなさい。あなたが言ったことをひとつも違ってはならないぞ」
とハマンに命令した。


ハマンはモルデカイに王服を着させて馬にのせて町の広場に導き、
「この人は王が栄誉を与えたいと思われている者だ」
と叫んだ。


それからモルデカイは王の門に戻ったが、ハマンは頭を抱えて家に帰った。
ハマンは妻に始終を説明したら妻は
「もう彼には勝てません。あなたは彼に負けるでしょう」
と言った。
そして2人が話しているうちに王の家来がやってきてハマンをエステルの宴会に連れて行った。





7章
王とハマンはエステルと酒を酌み交わした。
王は
「約束通り、宴会の席になったから欲しい物を教えてくれ」
と言った。

エステルは
「もし王の許しが得られるなら私に命を与え、私の民族にも命を与えて下さい。私の民族は根絶やしにされることになっています。
奴隷として売られるだけなら黙っていましたが、殺害されると労力などの王の損失を償うことはその者にはできません」
と言った。

王は
「そんなことを敢えてしようとたくらんでいる者は誰だ?」
と聞いたのでエステルは
「その敵は、この悪いハマンです」
と言うと、ハマンは震え上がった。


王は憤って宮殿の園に出て行った。
ハマンは王が戻って来たら殺されることを理解してエステルに命乞いをした。

王が戻ってくるとエステルに必死に命乞いしているハマンを見て
「私の前で王妃に乱暴しようとするのか」
というとハマンは顔を覆った。


家臣の一人が
「王の殺害計画を阻止したモルデカイのための柱がハマンの家に立っていますね」
と言うと王は
「ハマンをそれにかけよ」
と言った。


ハマンは自分で準備した柱で首吊りにさせられて王の憤りは収まった。





8章
王はエステルにハマンが住んでいた家を与えた。
エステルがモルデカイは育ての親であることを王に言うと、モルデカイは王に呼ばれて王の前に来た。
王はハマンから取り返した指輪をモルデカイに授けて、エステルはモルデカイにハマンが住んでいた家を管理するように命じた。

そしてモルデカイに渡した指輪を使って印を押し、ユダヤ人を殺害するのをやめる手紙を各州に出すように言った。
王はさらにどの町にもいるユダヤ人は命を守るために団結して襲ってこようとしている相手を根絶やしにして逆に彼らの財宝を奪うことを許可した。

ユダヤ人は襲われたときに返り討ちにしていいというお触れが出ているので
それ以降はユダヤ人は恐れられた結果、ユダヤ人を公言するものが増えた。





9章
モルデカイはあれ以降、王服を着て立派なマントと冠をかぶっていてユダヤ人の栄誉であった。
そしてモルデカイの名声は全ての州に広がり、勢力を伸ばした。

ユダヤ人を迫害するものとして、ハマンの子10人を虐殺し、
各地のユダヤ人はハマンの勢力だったものを75,000人殺した。

75,000人殺したのが13日だったので、
翌日の14日に彼らは休んでその日を祝宴と喜びの日とした。
特にシュシャンにいるユダヤ人は15日を祝宴の日とした。


モルデカイはそれらを考慮して全ての州に手紙を出し、
「ユダヤ人は毎年アダルの月(太陽暦の2月か3月頃)の14日と15日を自分たちの敵を取り除いて休みを得た祝宴の日」
と正式に定めた。

この習慣が途絶えてしまわないようにエステルとモルデカイは権威を持って文献を残した。


ハマンがプル(くじ)を投げてユダヤ人を滅ぼそうとしたが返り討ちにしたことから、
プルの名を取ってその祝宴の日を「プリム」と呼ばれるようになった。

※プリム、またはプーリームは現在も行われているユダヤ教のお祭りで、
現在では子供だけでなく大人も仮装をしてにぎやかな遊びをしています。






10章
ユダヤ人モルデカイは王の次に権力を持ち、
ユダヤ人の中でも偉大な者であり、
自分の民の幸福と平和を語った。

それらのモルデカイの偉大さはペルシャの王の年代記の書に記されている。


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エステル記はこれでおしまいです。
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独立切子士として、
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